App Store の検索について
見つけられないアプリは、存在しないのと同じこと
以前、App Store の検索について調べる機会があったのですが、調べてみると様々な情報が錯綜していたので、自分なりに色々と設定を変えつつ試しつつで調査してみました。
ASOって何ですか?
ASOとは、App Store Optimization の略で、AppStore内の検索最適化のことです。
AppStoreの検索一覧の上位に表示するためのテクニックで、いわゆるアプリストア版のSEO対策(検索エンジン最適化)にあたります。
アプリがダウンロードされるには、とにかくユーザに見つけてもらわなければ始まらないわけですが、ASOとは、ユーザに発見してもらうための手法の一つで、マーケティングの一環であると言えます。
ASO山
ASO(検索への対策)ってそんなに大事なの?
ユーザがアプリをダウンロードするには、まずはとにかくユーザがそのアプリを見つける必要があります。ユーザがアプリを見つける方法にはどんなものがあるか考えてみると、こんな感じだと思います。
ユーザ目線で考えると、僕自身がアプリを探す際はこんな感じなのですが、皆さんもそう違わないと思います。ただし開発者目線で考えると、このうち開発者が自力で簡単にどうにかできるものは割と少なく、やれても検索対策くらいか?ということになります。
(ランキングは、金さえあればどうにでもできてしまいますが...)
検索からの流入って多いらしいよ
上記の理由から、消去法的に検索対策を行うようにも聞こえますが、どうやらそう単純でもなさそうです。
僕も日頃お世話になっているSearchManさんのスライドなのですが、アプリ探しに検索を利用しているユーザさんって、結構多いみたいです。
何か目的があってアプリを探す場合は、やはり検索を使うため、優良ユーザになってもらえる確率は高く、検索対策は非常に大切であると言えそうです。
具体的に何すればいいの?
やること自体はそこまで難しい話ではなく、iTunes Connect にて検索ワードをしかるべき箇所に設定するだけです。しかるべき箇所というのは、以下の2箇所になります。
- アプリタイトル
- キーワード入力欄
アプリタイトル
アプリタイトルがやたら長く、説明文っぽくなっているアプリが一定数あると思います。あれは検索にヒットさせるためのテクニックになります(「無料で全巻!ブラックジャックによろしく」というちょっと長いアプリ名にしたのはこのためでした)。あまりやりすぎるとリジェクト対象になるみたいなのでご注意を。
キーワード
また、キーワードに関しては100文字まで入力可能です(100バイトではなく100文字!)。せっかくなので、制限いっぱいまで入れるのが良いとされています。
説明文はどうかな?
サイトによっては「アプリの説明文」と言っている場合もありますが、これは嘘です。「誰もが検索しそうなワードは、アプリの説明文にたくさん含めましょう!」は無意味なので気をつけましょう。
実際に検索してみた
これらのワード設定に効果があるのかどうか、実際に検索結果を見てみます。実験に使うのは、先日リリースいたしましたこちらのアプリ。
https://itunes.apple.com/jp/app/zhu-che-changdokoda-tukara/id947862190?mt=8&uo=4&at=11lJEY
検索に関わる情報としてはこんな感じ。
- アプリ名
- 駐車場どこだ? 地図から簡単にパーキング探し
- キーワード
- パーキング, 車, ぱーきんぐ, ちゅうしゃじょう, タイムズ, times, navi, navipark, parking, コイン, リパーク
タイトルのワードで検索
まずはタイトルに含まれる「パーキング探し」で検索してみます。
見事にヒットしていますね。問題なさそうです。
キーワードに設定したワードで検索
次は、キーワードに設定したワード「ちゅうしゃじょう」で検索してみます。
こちらもちゃんと機能しているみたいです。
念のため説明文で検索
本当にヒットしないのかどうか、説明文にある「見知らぬ土地」で検索してみます。
うんうん、やはり説明文は検索ワードとしては機能しないみたいです。
こんなワードはどうかな?
タイトルにもキーワードにも説明文にも設定していない「カーナビ」で検索したらどうでしょうか?
あれあれ...ヒットしてますね...なんでやねん。
タイトル、キーワード以外にも検索対象ワードがある!
上記の実験により、タイトルやキーワード以外にも、検索対象になる部分があるみたいです。それはどこかというと、info.plist内の Bundle display name です。
駐車場どこだ?では、Bundle display name に「カーナビ」というワードを含めております。
Bundle display name ってなに?
Bundle display name は、iPhoneのホーム画面のアイコン下に表示されるアプリ名を設定する箇所です。こんな感じ↓
この欄に入力したワードは、すべて検索対象ワードとして登録されます!iTunes Connectの入力欄は100文字という制限がありますが、ここを利用することで100文字以上のワードが登録可能になります。
ただ、どう考えても12バイトを超えてしまいます。そうするとちょっと残念な感じになってしまうので、実際にはInfoPlist.stringを利用して、アプリ名はアプリ名でちゃんと定義しましょうね(詳しくは割愛)。
そうすることで、Bundle display name は、アプリ名に影響を与えることなく、ただの検索ワード入力欄として生まれ変わります。
でも文字数制限があるのです
僕「すべての日本語を Bundle display name に入れればいいじゃない!」
と思った時期もありましたが、残念ながら Bundle display name にも文字数制限があります。たしか255バイトだった気がするのですが、うろ覚えです。制限を越えると、iTunes Connect にバイナリをアップロードする際に弾かれます。
海外版のキーワードは、日本のStoreでも検索対象
海外版のキーワードは日本のストアでも検索対象になります。例えば、英語でのローカライズを行っていて、そちらに英語のキーワードを登録している場合は、日本版のキーワードにその単語を含めずとも、日本の App Store でもその英単語は検索対象になります。比較的馴染みの深い英語のキーワードであれば、うまく利用すれば効果はありそうです。(フランス語とはどうだろう...)
見つけられないアプリは、存在しないのと同じこと
ここまで紹介したようなネタをうまく使うことで、キーワードの入力制限が100文字からグンっと増え、検索でヒットする確率も上がり、ユーザの目に留まる回数も変わってくると思います。
はじめにも述べましたが、見つからないアプリは存在しないものと同じだと思います(あくまで個人的な意見です)。
検索でちゃんとヒットするアプリなら、リリースから時期が経ってしまっていても、しぶとくダウンロードされ続けます。
これからリリースを考えているアプリのスタートダッシュにも、リリースからしばらく経ってしまったアプリのテコ入れにも、検索に関してもうちょっと対策してみてはいかがでしょうか〜。